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「涙のリクエスト」

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小学校当時の名物先生のクラスの集まりがきっかけで5年前に、1984年卒業の全体同窓会があった。
その名物先生に「お前が仕切れ」と指名された同級生は、面倒なことも嫌がらずこなす幹事。
とても真似ができない。ほんと偉い。
きっかけを作ってくれた名物先生は、5年前の全体同窓会を楽しみにしていてくれたらしいが、
希望叶わず、開催までに他界された。その先生に小6で頂いた言葉は「人間あきらめも肝心」
5年ぶりの同窓会も、任命された責任から彼の仕切りで無事開催。

久しぶりに会って、「された方は覚えている」が「した方が覚えていない」ということがあった。

自分ではそんなつもりがないが、小学校時代のマユミちゃんは目立つ存在だったらしい。
確かに、6年生の時と今の身長は変わっていないので、背格好は大きかった。
名物先生に、モンゴリ(※今回知ったのだけど、モンゴリとは文句を言うゴリラの省略形)と名付けられた幼馴染に、

「俺が柵から落ちて足を折って痛がっていた時、お前がたまたま木の棒を持っていて、
ちょうど杖に貸してくれと懇願したのにお前は笑いながら杖を持って、
去って行ったことを俺は未だに覚えている。あの時のおまえの顔は今でもすぐ思い出せる」と言われた。
全くもって、そんなことを覚えていない私。
未だにそんなことを言うのだから、相当なことだったんだろう…とはお察しするが
知らんわ、足を折るあんたがドンくさい」とさらに言い放つは当時の私と同じ、おばさんになっても変わらない。
思い出そうにも、全然記憶にない。

同じじゃないかも?だけど、自分で働いたお金で買ったものはしつこく
(失礼な話ですが、頂いたものや買ってもらったものより)覚えている。
1986年頃、京都の寺町角の店で、パンクロックな店で9800円のブルゾンを買った。
消費税なかったんだなぁ。黒無地とマドラスチェックのリバーシブル。

一人暮らしをすることになる二十歳の時、あまり着る出番も少なくなったがそのブルゾンを段ボールに詰めた。
一緒に弟子入り(ディスプレイの仕事)したチカちゃんは、可愛いひとだったけれど
服にあまりお金をかけない人だった。しもやけや手荒れがひどくて、寒い冬、顎と歯をガチガチ震わせていた。
冬の夜、私の部屋に来た時にあまりに寒そうだったので、リバーシブルのブルゾンを
チカちゃんに帰りがけに貸した。「あったかい」と言って喜んでいた顔を思い出せる。

その数か月後、チカちゃんは仕事を辞めて実家へ帰ることを決めて引っ越した。
なんとなく「返して」と言えないまま、連絡先も聞かず別れることに。

またその数年後、結婚式場の仕事をしていた時、チカちゃんと遭遇。
チカちゃんは自身の結婚の打ち合わせ。声をかけた時、驚きと恥ずかしさで目を丸くして
真っ赤になってたけれど、とても幸せそうだった。
もちろんその時「あのブルゾンは?」と、脳裏に出てきたが声にはしなかった。

「よかったね。幸せにね」とだけ伝えた。

そのブルゾンの写真がないかと探してはみたが、なかった。複雑なコーディネートの自撮り写真アルバム。
どのページもイタイ。

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この当時もラジオにリクエストするのが好きだった。私のお決まりは「Stevie B – Because I LoveYou
義妹は「Culture Club – Karma Chameleon」を今でもリクエストするらしい。
かなりの確率でかかるんだって。

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ここ数年、たまに足を延ばす西大路にある「喫茶 萩」
テーブルクロスのチェック(プリント生地)を見ていろんなことを思い出す今日この頃。

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U字形カウンターは常連の人でいっぱいです。

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涙のリクエスト

 


著者プロフィール

月刊『IN THE POCKET』毎月27日公開
icon_mayumiモリカゲ マユミ

「モリカゲシャツの企画・販売係 面白いこと担当」

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