「突然…」

春は、あけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは少し明りて
紫だちたる雲の細くたなびきたる…

季節はもう秋なのに、何を書き出しているのかと思われるかも知れませんが、最近、しょっちゅう仕事中の私の頭をよぎる「枕草子」冒頭の一節です。

何かに集中している時、突然、脈絡もなく、昔読んだ文章が頭をよぎる事って、ありませんか?

高校生の頃だったか、「枕草子」、「平家物語」、「徒然草」などの古典文の暗唱テストがありました。
当時、先生が「あなた達くらいの歳に覚えたことは、これから歳を取っても忘れずに覚えていられる」とおっしゃっていましたが、確かに、復習したわけでもないのに、いまだによく覚えています。

それが何かの役に立つか、というと、ちょっと答えに困るのですが…忙しい時間帯に、作業に集中していて、頭の中がスーッと静まる瞬間、パッと思い出されるのが、この昔覚えた「名作の一節」。

古典に特別興味があったわけでもないのに、あまりにも「春はあけぼの」を思い出すものだから、最近、清少納言の生涯を描いた歴史小説まで読み始めてしまいました。(とってもおもしろいです)

この突然脈絡なく頭をよぎる古典文シリーズですが、中国モノもあります。

力は山を抜き 気は世を蓋ふ
時利あらず 騅逝かず
騅逝ず奈何すべき
虞や 虞や 若を奈何せんと。

こちらは、中国の歴史書「史記」で項羽という王様が敵に四方を囲まれて、絶望的な場面で言った言葉です。
「四面楚歌」という故事成語の方が聞き覚えがあるかもしれません。

穏やかな心になる「春はあけぼの〜」と違って、何だか悲しいので、中国モノも、もうちょっと明るい内容のを覚えておきたい今日この頃です。

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