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第九回 それはまるであのドラマの名傍役のようなじゃがいも

二条駅の近くに大鵬という店があります。
街のカジュアルな中華屋さんとして繁盛していて、
名物のてり丼をハフハフしながら食べるのも楽しいのですが、
じつはBRUTUSがワイン特集の巻頭で紹介するほど
ワインの品揃えを誇る店なのです。
ソムリエールが薦めてくれるワインは
自然派のものがメインでどちらかと言えばがぶ飲み系。
いろいろメニューを頼みつつ
ワインがどんどん進みます。
そんなお店で僕が必ず頼むメニューがあります。
それが、じゃがいものピリ辛山椒風味。
この店は四川料理の店なので、
麻婆豆腐など辛みを聞かせたメニューが多いのですが、
じゃがいものピリ辛山椒風味は
その四川山椒の効かせ方が絶妙なのです。
じゃがいもの甘みを感じさせつつも、
時間差で口の中に広がる辛み。
まさに心地よい刺激です。
その山椒の効かせ方は例えるなら
「ドクターX」でオペをする大門未知子をアシストする
内田有紀演じる麻酔医のような技術。
京都の中華で僕が連想するのはそんなわけでじゃがいもなんです。

 


月刊連載『僕と京都』毎月2日公開
prof_shima 嶋 浩一郎

1993年博報堂入社。スターバックスコーヒーなどで販売された若者向け新聞「SEVEN」編集ディレクター。02年から04年に博報堂刊『広告』編集長を務める。2004年「本屋大賞」立ち上げに参画。現在NPO本屋大賞実行委員会理事。06年既存の手法にとらわれないコミュニケーションを実施する「博報堂ケトル」を設立。

カルチャー誌『ケトル』の編集長、エリアニュースサイト「赤坂経済新聞」編集長。2012年下北沢に内沼晋太郎氏との共同事業として本屋B&Bを開業。

編著書に『CHILDLENS』(リトルモア)、『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』(ディスカヴァー21)、『企画力』(翔泳社)、『このツイートは覚えておかなくちゃ。』(講談社)、『人が動く ものが売れる編集術 ブランド「メディア」のつくり方』(誠文堂新光社)がある。

好きなもの:ブルゴーニュワイン 地図帳 吸引式万年筆 時刻表 シングルモルト 新聞 年功序列とサラリーマン 歌川国芳 アヒルストア 小津安二郎 博士の異常な愛情 ウディアレン 鉛筆 檜のお風呂 ポストイット 僕は散歩と雑学が好き 神保町 マルセルラピエール アポロ計画 ラジオ 教育テレビ 京都