熱騰騰

雪こそ降らないものの、寒い毎日が続いています。

気温が低く、サンドイッチ用の塗りバターが、室温に出しても一向に柔らかくならない時期になってくると、あぁ、もう冬だなぁと思います。

寒い季節に欲しくなるのは、やっぱり温かい食べ物。
食事の時に温かいスープがあると、最高です。

「◯◯焼き上がりました!」と言いながら店頭に品出しする時、ホカホカのパンに注がれるお客様の視線も、心なしか夏季よりも熱いように思われる今日この頃。

ホカホカ温かい食べ物といえば、いつも冬になると懐かしくて食べたくなるものがあります。
中国東北部に留学していた頃に食べた、鸡蛋饼(jīdànbǐng、鶏蛋餅)という卵入りのお焼きみたいなもの。

粉と水とで作った生地をクレープのように鉄板に広げ、その上から卵を割り落として黄身を軽く崩し、生地をひっくり返して卵のついている面を鉄板で焼きます。
上から辣醤を塗り、香菜、ネギ、ソーセージ、細かく切った油条(甘くない揚げパン)などの具を置いてから生地を折りたたんで、そのままビニール袋に入れてくれます。
移動式屋台、あるいは道端のプレハブ建ての様な小さな店で売られていました。

img_6838

寒い地方だったので、屋台の温かい食べ物がありがたく、うっかり大学の卒業論文のテーマに選びそうになったほど私を魅了した鸡蛋饼。(結局、選びませんでしたけど…)

見た目も味もジャンクフード寄りで、多分、今食べたらおそらく胸焼けしそうな気もするのですが、あの寒い寒い東北地方で、零下10数度の時期に屋台で買い求めたあの味が、そして、焼きたてアツアツなのに、無造作にビニール袋に直接入れて渡してくれるところも含めて、懐かしいです。

もう何年も中国へは行けていないので、今でもまだ、同じような屋台はあるのかわかりませんが、また機会があれば、胸焼け覚悟で食べたいものです。

鍋や食べ物などがホカホカ湯気が立っている様子を、中国語では “热腾腾”(rètēngtēng、熱騰騰)と表現します。食べ物や温度だけではなく、気持ちがホカホカしているのを表すのにも使うみたいです。

さぁ、今晩も夕食には温かいスープを添えて、更に、温かい部屋でデザートの冷たいアイスクリームを食べるのが至福の時です。