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モーニングのこと。

 今年の12月21日は冬至。あっという間に日が暮れてしまうのだから、朝早くから行動したいと思うけれど寒くてなかなか布団からでられない。そんな時の鼻先ニンジンはモーニング。昭和初期から始まる喫茶文化がしっかりと根付いているうえに、パンの消費量も日本1位2位の町だからか、喫茶店のモーニングが充実しているのが嬉しい京都の町。製麺所が早朝から営むうどん店や、割烹のちょっと贅沢な朝食なんて選択肢も増えてきて悩ましい近ごろだ。
 まず思い浮かぶのは河原町今出川〈コーヒーハウスマキ〉のモーニングセット。くり抜いた食パンの中身はバタートーストに、耳の器にはハムやサラダが入って、見た目の可愛らしさに朝から気分も盛り上がる。王道の〈イノダコーヒ本店〉で観光客に交じって食べる京の朝食と名付けられたモーニングは、なんとなくウキウキした気分が伝わってきて、近所なのに旅気分を味わえるのも魅力。エビフライがサンドされたロールパンセットや、揚げパンのようなフレンチトーストなど選択肢が多いから、混んでいるかなと思いながらもついつい足を運ぶことになる。裏寺の〈回廊〉は、6切れにカットされたトーストに6種類のジャムが塗られている細やかな気配りが好きで、たまにどうしても食べたくなるモーニング。祇園の〈コーヒーショップ ナカタニ〉のサンドイッチは店で食べるほかにも裏技があって、〈葵KYOTO STAY〉や〈庵町家ステイ〉に泊まると、役者さんに配達するのと同じ岡持ちで出前してくれる。泊まって出前のモーニングなんて、京都で暮らしているとなかなかハードルは高いけれど、誰かをもてなす時にはご相伴にあずかりたいものと頭のメモ帳にある一軒。
 喫茶店だけではなくて、カフェももちろん見逃せない。東向きの大きな窓からの日差しが心地よい、堺町松原〈バルマーネ〉にはクロックマダムなど7種類のモーニングが揃う。知恩院前〈やまもと喫茶〉では名物のたまごサンドがモーニングセットで登場。岡崎〈京都モダンテラス〉では〈吉田パン工房〉のパンと自家製ハムが主役のセットもラインナップ。〈カフェ&パントリー松之助〉ではふわふわのパンケーキのモーニングといった具合に、それぞれに個性あるのがたまらない。高野〈アカツキコーヒー〉のスコーンモーニングや、姉小路室町のベーカリーカフェ〈アネ〉のモーニングは土曜日限定のスペシャル感にもまた心惹かれる
 思い起こせば目移り必至の顔ぶれに、寝坊している場合じゃないと飛び起きる京都の朝時間。

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著者プロフィール

月刊連載『毎日くいしんぼう』毎月17日公開
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大和まこ(やまと まこ)

京都在住のライター&コーディネーター。雑誌『&Premium』で「&Kyoto」を連載中。