お酒とたのしい夜

高校の同級生と、居酒屋にでかけた。大学でも油画を専攻していて、高3の時に通ってた画塾の帰りに「クラムボン」の音楽を
教えてくれた女の子。

IMG_8352
ひさびさに声をかけたら最寄り駅が一緒で!
あー、本当にたまげた。

ローソン前で待ち合わせ。赤いネオンサインとちょうちんを目指す。

いつも仕事帰りに自転車で前を通っていてずっと、気になっていた。

たたずまいは古くさいけどいつも外まで、たのしそうな声が聞こえてくるのだ。

引き戸を開けてのれんをくぐると、平日なのにお客さんでいっぱい。

畳の上にあがり、ちいさなちゃぶ台をはさんで座る。

目の前のカウンター席には、ぶあつい背中がひしめきあっている。

うおー、すごい。と濃厚な空気に圧倒される。

メニューを熟読し、若いめのお兄さんに「おでんの大根、たまご、ちくわと、かれいの唐揚げ」と注文する。

ビールを飲みながらぽつりぽつりと、きになることを聞いたり、きかれたことに答えたり。

IMG_8348

どうしてこの辺に住むことにしたん、わたしが聞くと「部屋を見に行ったときに疎水が見えて、いいなあ、と思って」と。

(わたしらは似たもの同士かもしれない)

たまに黙って店内を見渡したり、隣のサラリーマンの会話に耳をすませたりする。彼女がどうだ女の子がああだなどと聞こえる。

ビールがなくなり、友達がお湯割りをたのんでいたので、同じものをもらう。

隣のテーブルに大柄なサラリーマンが座る。おでんを何点かと、熱燗をくいっと、30分くらいで出て行く。こういうのも潔くて、かっこいいなー。

わたしたちも、お腹満足、雰囲気も満喫したので、お店をでる。

「さぶぅい」と身体がちぢこまる。

だけど待ち合わせたときよりも打ち解けて、わたしがふと思い出した過去の話を皮切りに、ふたりとも笑いが止まらなくなる。

たのしいお酒は最高!

いつも1人で通る道を知ってる子と歩いてると、冷たい風も心地よくて、くらやみの中での自販機の明かりも車のライトも街灯も、キラキラしてみえた。

「小学校のこの木が立派なんよ」「わーほんまじゃねえ」

「このカレー屋いったことある?」「常連よ」

うきゃきゃ、とからだをおりまげたり足踏みしたりしながら丸太町通りをふにゃふにゃ歩く。

久しぶりに会ったのにご近所トークできちゃうのがおかしすぎた。

互いの家の場所を教えあって、バイバイする。

たのしくて、いい夜だった。

(今月の参考図書)
『センセイの鞄』川上弘美

IMG_8347
おしゃれでかっこいいお店より、庶民的な食堂や居酒屋が好きだったりする。

ツキコさんとセンセイが通う駅前の居酒屋も、今日みたいなお店だったんじゃないかな。

一人でも臆せず店に入りカウンターに腰掛けながら、「塩らっきょう、きんぴら蓮根、マグロ納豆」と注文するツキコさん(37)。

ここで再会したセンセイとのかけあいは、しずかだけど皮肉めいていて、だけどそのやりとりを二人ともたのしんでいて。

いつ読みかえしても、「いいのぉー」と唸ってしまいます。