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第十三回 家具をオーダーするということ

取材などで必ず聞かれる質問で未だにちょっと考えてしまうのが、
「SONGBIRD FURNITUREは、分類として’’家具屋’’でいいですか?」というものです。

僕のお店「SONGBIRD DESIGN STORE.」は、2階が「SONGBIRD COFFEE」というカフェ、3階が「SONGBIRD FURNITURE」という家具のお店でして、そのすみっこにちいさな僕のオフィス「Masaki Tokuda Design.」があります。僕は通常、そのキオスクのようなオフィスで仕事をしていて、お客様が家具を見に来られると「こんにちはー」と登場します。

SONGBIRD FURNITUREは、家具のオーダーメイド(別注)が中心のお店です。沢山展示してある商品の中から気に入ったものを選んで買って帰る(後日配送してもらう)といったいわゆる通常の家具屋のスタイルとは少し異なります。

かといって、「別注家具屋」とかだと何だか大袈裟だし、「インテリアショップ」というには商品数が少し地味だし、「ライフスタイルショップ」に至っては、何を売ってるお店かよくわかりません。笑 なので、未だにしっくりくる呼び方が見つかっていません。

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あと、オーダーメイド家具と言うと、すごく敷居(と値段)の高いお店だと思われがちです。もちろん、街の量販店や海外生産の大きな家具屋さんに比べれば、はっきり言って手間も時間もかかるし、価格も安いわけではありません。

家具で一番大事なのは間違いなく「サイズ(寸法)」です。もちろん、素材や色の組み合わせなども重要な要素ですが、サイズが思ったものと違えば全て台無しです。毎日使うものだけに、たとえ30mmの妥協や寸法ミスだけで「こうしておけば・・」というストレスは、積もり積もって、やがて大きな後悔となります。一般の家具屋さんで商品の「種類」を選ぶ代わりに、当店ではサイズや素材、色なんかを選んで頂く感じです。何も難しい事はありません。

オーダーされる多くは、基本のデザインの寸法を変えるだけのサイズオーダーなのですが、中にはかなりこだわった内容でオーダーされる方もおられます。例えば・・・

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自分のためだけの一人掛けソファに本&PC収納を埋め込んだ上にキャスターを付けたり。

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天井高とのバランスから、通常よりテーブルの高さと椅子の座面を50mm低くして、脚のデザインやカラーを特注色にしたり。

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バーカウンターのためのスツールを、幅と奥行きを同寸法にして、利き腕や人数に柔軟に対応出来るようにしたり。

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直線としても、L字としても使えるサイズモデュールのシステムソファにして、張地と脚のカラーをかなりポップな組み合わせにしたり。などなど・・・。

人それぞれ、こだわる部分も、必要なサイズも、好きな素材や質感も、もっと言えば家具との向き合い方、距離感も違います。

「自分だけの家具をオーダーする」という一連の過程を共有したいと思っていますし、物としてのテーブルや椅子に加えて、そんな時間や思いも納品したいと考えています。この家具は自分も一緒に作ったんだと思って、大切にしてもらえたなら理想的です。

みなさん、家具をオーダーしてみませんか?

 


著者プロフィール
月刊連載『月刊 唄鳥』毎月5日公開
icon_songbird徳田 正樹
インテリア・プロダクトデザイナー
SONGBIRD DESIGN STORE.」代表

京都生まれ。大学卒業後、内装会社勤務を経て、1999年「IREMONYA DESIGN LABO」の立ち上げに参加。その後、2008年まで同社のデザイナーと代表を務める。2008年退社後、Masaki Tokuda Design.設立。2009年に、京都でカフェを併設したインテリアショップ「SONGBIRD DESIGN STORE.」開業。