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「プロレスブーム その1」

 2年ほど前より「プロレスブーム再燃」という記事を見かけることが多くなった。ブームの火付け役となっているのは老舗団体 新日本プロレスの若手選手たちの活躍に他ならないのだが、多くの記事では、棚橋選手や内藤選手、オカダ選手といった選手の人気とともに、ゲーム会社による新日本プロレスの株式取得に伴い、組織改革が行われ、効果的な宣伝広告が行われたことをあげている。そして選手自身もSNS等で積極的に発言したり、試合の様子を後日オンデマンドの動画配信サイトで見ることができるといった点についても言及されている。

 いわゆる総合格闘技全盛になる以前は良くプロレス試合会場に足を運んでいた。特に後楽園ホールそれも二階バルコニーからの観戦が好きだった。今風に言うと推し選手は三沢光晴選手で、全日本プロレス在籍時代には数多く試合を見にいった。初代タイガーマスクの試合のTV放送を心待ちにしていた頃を1次、ミルマスカラスの空中殺法に憧れプロレスごっこをした頃を2次とすれば、個人的第3次プロレスブームであった。

 新日本プロレス現原田克彦社長があるインタビューで、現在のブーム再燃について「今までのプロレス業界は、人気レスラーの集客力に頼ってきたため、一時的なブームと低迷という浮沈を繰り返してきた。一時的に大きな資金を得る「興行」としては成り立っても、継続的な「事業」としては危うい面を持っている。安定した成長を実現するためには、演出や広報や集客を勘に頼るのでなく、方法論や知識を持った人材の育成が急務である。」と経営論を語っていた。まさにしっかりと仕掛けられたブームであり、子供のころや学生時代に見てきた昭和のプロレスとは明らかに異なる感覚を感じている。

三沢選手が試合中に亡くなった事故から丸八年、「たられば」はないが、少し時代が早く回っていたらと思わざる得ない。

今年も6月13日を迎える。

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※ 今や「週刊プロレス」もタブレットで。

 


著者プロフィール
月刊連載『パイント・オブ・ギネス プリーズ!』毎月8日公開
icon_naga長濱武明(音響空間デザイナー・アイルランド音楽演奏家)

1992年に初めて訪れたアイルランドでアイルランド音楽と特有の打楽器であるバウロンに魅了され、以来十数回の渡愛の中で伝統音楽を学び、建築設計の実務も経験する。現在は音響空間デザイナーとしての業務をこなしながら、国内におけるバウロンプレーヤーの第一人者として国内外で演奏活動をする他、プロデューサーとしてコンサートやワークショップを主催している。
バウロン情報サイト バウロニズム https://www.facebook.com/Bodhranizm