Voyage à Venise en été. / 夏のヴェネチア旅行

パリは人種の坩堝だ。イタリア人の友達からヴェネチアを勧められて行ったのは2年前の夏だった。

バカンスを利用して10日間滞在した。小さい島だから観光するなら数日で十分と聞いていたけれど、ヴェネチアの人達の暮らしを少しでも感じたいと思ったら実際足りないくらいだった。パリから飛行機で1時間半、その後街の中心まで船かバスで1時間、ヨーロッパにいると近さを感じる。初めて行く人は、空港から船で移動して、近づいてくるヴェネチアの島を見て欲しい。船着き場で荷物を下ろし、さあ到着!沢山の人が狭い道を行き来して迷路のような街だ。何が待っているかワクワクしてくる。
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ベネチア?ベニス?
イタリア語でVenezia(ヴェネツィア)、フランス語でVenise(ヴニーズ)また英語ではVenice(ヴェニス)と呼ばれている。中世に遡ると共和国の首都として“アドリア海の女王” “アドリア海の真珠” “水の都”などといわれていた。
ではなぜVeneziaなのか?古来はウエネティ人(ラテン語)の土地と言う意味があるそうだ。そのウエネティ人が住んでいたアドリア海の奥に広がる土地をウエネティア(Venetia)と呼んだことからきている。この綴りをそのままイタリアでのラテン語の読み方に従うとヴェネチアとなる。

さて、ヴェネチア上陸。船着場で予約したアパートの家主が優しく迎えてくれた。入り組んだ道を自分達がどこを通ったか記憶しながらアパートに到着して一息。室内は静かだが賑やかなリアルト橋の近くで、疲れていても未知の世界を見たくて早速、盛り場へ繰り出した。

お腹が空いたらレストランが至る所にあって困らないが、迷ったならまずはバーカロ(居酒屋)に行くのをおすすめする。
ヴェネチアにはイタリアのどこにも例を見ない居酒屋がたくさんある。その数は本島だけでも80を超えるらしい。朝から船乗りや漁師、職人の働く男達がオンブラ(ワイン)を引っかけていったり、朝や軽く済ませたいランチにチケッティ(おつまみ)やパニーニ、サンドイッチなど軽食をとっていく。フランスで言うどこにでもあるようなCaféのような存在かもしれない。さらに魅力なのが2ユーロ前後でワイン一杯やチケッティ一個が食べられる。

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ガイドブックを見たり、現地の友達に聞いてバーカロのはしごをしてみた。店によって雰囲気も違うしチケッティの美味しさも違う。店を探すのに地図を見て迷いながら辿り着くのに一苦労だ。それでも途中で偶然いい店を発見したりすると嬉しい。そしてバーカロで出されるチケッティ。その中でもスライスしたバゲットの上にバカラという干しタラをほぐしオリーブオイルで練ってクリーム状にした真っ白い鱈のペーストや小玉ねぎとイワシの酢漬けは絶品。バカラはヴェネチア料理で総菜屋などでも量り売りしていたり。レストランでもポレンタとともに食べられる。

バーカロは夜が一番賑わって楽しい。現地の友達とおすすめのバーカロへ。色々なチケッティを注文してくれた。乾杯はやっぱりプロセッコ。プロセッコはヴェネト州特産の白ぶどうから作った発泡性ワイン。これはイタリアに行ったら是非味わってほしい。真夏なら氷を入れて楽しむのもイタリア流。

Salute!! サルーテ!!(乾杯)

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著者プロフィール

月刊『Les miettes de pain』毎月28日公開
icon_mayumi伊藤 源喜(いとう もとき)

京都出身。関西のパン屋さんで就職後、2006年に渡仏。
良い事も、悪い事も受け入れながらパリで日本人妻と生活中。
現在はLa Boulangerie du Nil に在職中。
www.terroirs–avenir.fr