Voyage à Venise en été 2. / 夏のヴェネチア旅行2

前回の続き。
ヴェネチアの居酒屋で一杯飲みながらふと考えてみると、どうやってこの島はこんな独特な運河が入り組んだ街になったのかと思った。
ここヴェネチアはアドリア海ヴェネチア湾にできた潟(ラグーナ)の上に築かれた、運河が縦横に走る水の都だ。土地は大陸からの川の流れに乗ってくる土砂、そしてアドリア海の波と風によって作られた湿地帯で、この干潟に建物を建てるため大量の丸太の杭を打ち込みそれを建物の土台とした。そのためヴェネチアを逆さまにすると森ができると言われている。
イメージしやすいのは、島は魚のような形をしており全体が小さな島々からできている。その真ん中を逆S字形の大運河が市街を二つに分けながら流れている。
150を超える運河が177の島々を分け、運河には400におよぶ橋が掛かる。                
僕の滞在中は水上バスや渡し船も利用したが移動はほぼ徒歩で。入り組んだ道を歩くからこそ楽しいのかもしれない。
本島は自動車、バイク、自転車は走っておらず、警察、消防、救急車も船だったのには驚いた。今でこそ水上バスやフェリーが市民や貨物を運んでいるが何世紀もの間は市内の輸送をになったのはゴンドラと呼ばれる手漕ぎ船だった。今は観光客のために時間制でゴンドリエ(ゴンドラ漕ぎ)たちが観光客を乗せて喜ばせている。
ヴェネチアに来たらゴンドラに是非乗って欲しい!
費用は少々高く感じるがそれだけの価値はあると思う。料金は40~60分で80~100ユーロ。狭い運河でテクニックを使い一人でゴンドラを自由に巧みに操るゴンドリエはカッコイイの一言。僕らは友達が紹介してくれたゴンドリエの船に乗り、楽しいおしゃべりも加わって忘れられないひと時になった。
彼によると昔は代々家族で引き継ぐ仕事だったが、今ではイタリア人ベネチア在住で学校と試験、ライセンスを取得すれはゴンドリエになれるそう。友達曰く彼らゴンドリエは稼いだ分の収入は税金が免除されると言ってたけど本当だろうか?
ゴンドラは漕ぐオールが一本で、一漕ぎで多く進むよう船を湾曲させ、水の抵抗力を少なくするよう設計されている。漕ぐコツは体重移動とオールの使い方だそうだ。
ちなみにベネチアのゴンドラというと船を漕ぎながら歌っている姿がイメージにあるが、ゴンドリエいわく漕いでいるときは色々なことに注意を払い集中しないといけないから彼は基本的に歌わないらしい。
大運河はモーターを乗せた船が行きかい高波が立ち、小さなゴンドラは大揺れして沈むんじゃないかと心配になったが、交通渋滞がない静かな水路をスーっと水面を切り進み、風を感じながら船に乗るのはとても気持ちがいいもんだ。

つづく。

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著者プロフィール

月刊『Les miettes de pain』毎月28日公開
icon_mayumi伊藤 源喜(いとう もとき)

京都出身。関西のパン屋さんで就職後、2006年に渡仏。
良い事も、悪い事も受け入れながらパリで日本人妻と生活中。
現在はLa Boulangerie du Nil に在職中。
www.terroirs–avenir.fr