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クレソン

9月は久しぶりの北海道からはじまった。知人&友人に北海道へ行くと伝えると「仕事?」という質問が帰って来る。「いえいえ居候」と答える私(笑)
今回の4泊5日も居候のショートトリップ。いつもの居候と違うのは「料理をしない」こと。札幌の藻岩山スキー場のすぐ下で山小屋レストランを営んでいた秦さんちにお世話になって来た。以前にもお世話になったことがあり、確か今回で3回目かな。
自家製の生ハムやベーコンが人気の山小屋レストランで宣伝もしていなかったが、食べたひとが知り合いを紹介するスタイルでほぼ予約制のみで営業。しかし今年の2月で閉店。よって秦さんは悠々自適生活の年金暮らし。もともと海外放浪癖がありあちこちに「ファミリー」と呼べるくらいの友人がたくさん居るようで、今年の秋はスペインへイベリコ豚の飼育を手伝わせてもらいに行くそうだ。奥さんは仕事をしているが子どもはいない。
そんな秦さんちに転がり込んだ私。一日目の夕食前に広い敷地内のクレソンが自生しているのを発見。

「クレソンが食べたい」とひと言。すると夕食にはクレソンにバルサミコ酢とオリーブ油、塩をパラリのシンプルなクレソンサラダが出て来た。もちろん摘みたてクレソンはほろ苦くておいしかった。翌日は鹿のヒレのたたきとクレソン登場。

鹿ヒレのたたきは初めてだった。ほろ苦クレソンと合わせてじわじわとうま味甘みがこみ上げて来てこれまたおいしい。クレソンはシンプルに食べてもおいしいけれど、お肉との相性がいいからね〜♬
毎日クレソン。食事の手伝いはクレソンを摘むくらいだった5日間。秦さんが作った自家製ビールでカンパイし、秦さんが作ってくれたおいしい食事を満腹&眠くなるまで食べる日々。秦さんビールはアルコール度数が高いらしく良く眠れた。毎日10時間くらい寝てた(笑)←子どもか?!
朝はコーヒーと私がおみやげに持参したブロートハイムのパンだったので、私にはいろんな意味でHappy days。

週末は奥さんの仕事関係のイベントに参加し、月曜は秦さんのふたりでのんびり過ごした。近所を散歩し、敷地内でキノコを探し、近くに自生しているくるみを拾ったり本を読んだりぼーっとしたり。
以前の居候はたしか6月で、秦さんの敷地内にもその周辺にもたもぎ茸という黄色いキノコがたくさんあった。黄色くて見た目はまるで毒キノコだけど、食べればめっちゃおいしいたもぎ茸。今回も探してみたが残念ながらなし。でもボリボリって名前のキノコが少しだけあった。他は毒キノコ(笑)
北海道から持って帰って来たのはボリボリとクレソンとミント。みんな秦さんちに生えていたもの。帰って来た日の夜、秦さんビールの代わりにミントティを飲みながらクレソンサラダやボリボリ入りの野菜スープをパンと一緒にいただいた。ひとり@東京でも秦さんのおかげでしあわせしあわせ♬

*まさこぱん*


著者プロフィール

月刊連載『NO BREAD NO LIFE』(まさこジャム)毎月12日公開
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渡邉まさこ(わたなべまさこ)

愛パン家(ときどきパンライター、アドバイザー、審査員。)
その昔「パンの会」主宰