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チーフタンズ

日本アイルランド外交関係樹立60周年の今年。最後にして最大のイベントともいえる、アイルランド音楽グループ「チーフタンズ」の来日公演ツアーが行われている。皇后陛下がご観覧された11月30日の東京渋谷にあるオーチャードホール公演には各マスメディアも駆けつけニュースになっていた。
なんと今年で結成55年となるこのチーフタンズ、オリジナルメンバーはリーダーのパディモロニー(御年79歳)だけではあるが、このミスターチーフタンズ=パディモロニー無くしては現在のアイルランド音楽の姿はなかったともいえる。幾度かのメンバーチェンジを経て、今回の来日公演は3人の正式メンバーと若手演奏家、ダンサーによるサポートメンバー、そして数多くのゲスト演奏家などで構成されている。メンバーはもちろんの、サポートメンバーも個々の技量に優れるばかりでなく、エンターティナーとしての才能に満ち溢れた面々で、観客を魅了していた。なかでもカナダ出身のジョン&ネイサン ピラツキ兄弟のステップダンスはショーの中の一つの見せ場であり、歓声がとても大きかったというのは、私自身が二人とはアメリカのフェスティバルでの共演経験があるというひいき目で見ているからではないと思う。ピラツキ兄弟のダンスはアイリッシュダンスではなく、カナダのオタワ・ヴァレー・スタイルのステップダンスなのだが、チーフタンズはこれまで、アイルランドだけではない所謂「ケルト文化圏」とその周辺の音楽を巧みに取り入れ、アルバムを録音したりコンサートを行ってきている。チーフタンズはアイルランド音楽という枠組みや様式を超え、多ジャンルとの単純なコラボレーションではないオリジナリティあふれる音楽やショーを作り続けてきた。ある意味において「ケルト音楽」という一つの新たなる音楽ジャンルの扉を我々に開いていくれたのではないかと思う。

明日12月9日 隅田トリフォニーホールでの最終公演、まだ観ていないかたはぜひ足を運んでみてはいかがであろうか。

来日公演情報
http://www.plankton.co.jp/chieftains/
cof

※ チーフタンズの来歴についてはミュージックプラントさんのブログに詳しく書かれていますのでご興味のある方はぜひご覧ください。

チーフタンズ物語
https://themusicplant.blogspot.jp/2017/09/blog-post_31.html

 


著者プロフィール
月刊連載『パイント・オブ・ギネス プリーズ!』毎月8日公開
icon_naga長濱武明(音響空間デザイナー・アイルランド音楽演奏家)

1992年に初めて訪れたアイルランドでアイルランド音楽と特有の打楽器であるバウロンに魅了され、以来十数回の渡愛の中で伝統音楽を学び、建築設計の実務も経験する。現在は音響空間デザイナーとしての業務をこなしながら、国内におけるバウロンプレーヤーの第一人者として国内外で演奏活動をする他、プロデューサーとしてコンサートやワークショップを主催している。
バウロン情報サイト バウロニズム https://www.facebook.com/Bodhranizm