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南インド・ニルギリの旅 4

前回は、ちょっとお茶から脱線してアーユルヴェーダのお話をしましたが、今回は、ケララから南インドの右側、タミールナドウに向かって車で移動します。ケララは、海老やココナッツミルクなどを使ったカレーのある地域でした。次のタミールナドウでは、どんなカレーになるのでしょう?

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タミールナドウに入るには、州が変わるところで税金を払わなくてはいけません。インドには何度も行っていますし、いろんな州にも訪れていますが州税は初めての経験です。ドライバーが支払いに行っている間に私たちは車から降りて、ちゃっかりとお店の見学。どこへ行ってもローカルフードを見つけ、すぐに買い食いをしてしまいます。周りのお店を見回わすと鶏がたくさん詰められた大きな籠だったり、大きな丸い籠を地面に伏せてたくさんの鶏が囲われています。どちらも生きたままの鶏です。軒下には、羽がついたまま絞められた鶏がぶら下がっています。ケララでは見なかった光景です。この州では、鶏が中心のカレーのようです。

州境から始まり道沿いには多くの鶏屋さんが並んでいましたが、これは買い食いできません。その横のお店では、ガラスケースに入った美味しそうな乾燥バナナが目に止まり、入ってみることにしました。味見をしてみると、フライド・バナナでした。量り売りのそれを購入し、車で食べ始めるととても美味しくて止まりません。初めての食感に、一緒に行った茶友も「もっと買えば良かった・・・これは日本でもウケるに違いない。」と大感激。日本でも乾燥バナナはよく見かけますが、ぜひ日本でも販売して欲しいお気に入りのローカルフードとなりました。
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ドライバーが戻って来たので、また茶畑の中を高原へ向かい走ります。
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タミールナドウのお茶の産地、ムーンナール。ニルギリに来て初めて知った名前です。ここは、インドの車やホテルで有名なTATA財閥の経営する茶畑がほとんどですが、小規模経営の茶園などもあります(英国のブランドで有名なブルックボンド、テトレーなどもインドではTATAが販売しています)。

茶園の門前まで行き、訪問許可を取ろうとガイドのポールさんが門番のおじさんに交渉をするもマネージャーがちょうど不在とのこと。どうしよう・・・と座り込んでいると、そこへタイミング良くマネージャーが戻って来られました。突撃の会社訪問にもかかわらず、マネージャーは気さくなポールさんに口説かれ見学をさせていただくことになりました。

アッサムの茶園からここに赴任して来られたというこのマネージャーがとても良い方で、アッサムに訪れたことがあると伝えると、急な訪問なのにテイスティングをさせてもらい、お茶までいただきました。また、この会社が経営されているアウトレットの売店や、TATAが経営するお茶の博物館を教えてもらい訪れることになりました。

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お茶の博物館では、ニルギリの英国統治時代の歴史にまつわる興味深い資料がたくさんありました。また、来館者が観れる紅茶のCTC(Crush Tear Curl)の生産もあり、多くの観光客が訪れています。

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昔は台湾に観光茶園がありましたが、今ではインドネシアやダージリン、北タイ、ベトナム、ロシアのソチ、韓国、中国などにも観光客が見学のできる茶園や茶園リゾートができ、ティーツーリズムという本まで出版されています。世界中がお茶のブームです。そのため旅行社は現地参加でティーツアーを募集し、簡単に見せてもらえるといった茶園も存在しますが、私の行くところはそう簡単にはいかず、コネや人脈を使い、それでも無理な時には今回のように突撃でアタックしています。

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紅茶の産地で色んなタイプの中国茶や日本茶のような蒸した緑茶を作り始めているところも増えて来ました。お茶は色んな分野で広がっています。

次回は、高原リゾートの英国統治時代の避暑地に移動します。
私の旅は続きます。

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著者プロフィール

『メランジェ的世界の歩き方』毎月21日公開
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松宮 美惠 (まつみや よしえ)

200種類のお茶とお茶まわりのグッズを扱う「ラ・メランジェ」のオーナー。
ラ・メランジェは1988年に京都・北山にオープンし、92年からは同じ北山に店を移転拡張し、2005年9月烏丸二条に移転。2015年5月で対面販売 小売店店舗をクローズ。今後お茶を扱う専門家、飲食関連のサービス、お茶を教える専門家などに今までの経験を生かし指導をしていくことを新しいジャンルとして設ける。ものを売るというよりも、お茶とお菓子ですごす時間や空間、そこから生まれるコミュニケーションが大切だと考え、これを提案したいというのが基本的なコンセプト。このためお茶と食、またそれにまつわる文化に強い関心を持ち、1990年からヨーロッパを中心に海外に頻繁に旅し、情報を常に吸収し、ノウハウを蓄積しているのが強み。最近では、特に中国へ赴くことも多く、中国茶と茶器の品揃えも強化。現在、かの地の文化を修得しつつある。お茶については、海外からはお茶を直接輸入し卸しも行なうが、国内・国外のお茶とも、すべて自らテイスティングし、セレクトしたものを扱う方針。お茶のコーディネイトの仕事も多数。