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第二十六回 バナナとハンバーガー

前回、自宅にソファを作った話をこのコラムにも書いたが、じゃあ気の利いたクッションでも置こうかなと思い立った。

仕事として、何度かデザインしたことはあるが、実はソファ同様、あまり今までクッション自体を使う生活をした事がなく、いざ探してみるとなかなかこれといった物が無い。

どうしてもソファやテーブルなどの家具は、ラインの出ているスクエアでシンプルな感じが好みなので、そこにさらに普通の四角いクッションを置いてしまっては、少し面白味に欠ける。

何か、アクセントとなるようなインパクトのあるクッションが必要だ。

で、このクッションの出番である。

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アンディ・ウォーホルのバナナクッション。「ウォーホルのバナナ」といえば、「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(アンド・ニコ)」のファーストアルバムのためにウォーホルが描いたあの有名なバナナである。

そのバナナを、数年前にメディコムトイがオフィシャルのクッションとして発売した事があった。

中高生の頃、あんなに好きだったウォーホルだけど、絵として部屋に飾ったりするセンスというか術を知らず、「アートを飾る」事自体に照れもあってなかなか自分の暮らしには縁がない存在だったが、クッションというインテリア要素(機能)が加わったおかげで、晴れて生活の中にウォーホルを取り入れる事が出来るという僕にとって待望のプロダクトでもあった。アルバムのジャケット同様に、皮(カバー)を剥くと、ちゃんとピンクのバナナが姿を表すという仕掛けも申し分ない。

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ただ、そんなお気に入りのアイテムも購入してから一度も使わないまま、押入れに仕舞っていた。その理由は、前回のコラムでも書いた通り、ソファをずっと持っていなかったからである。そして、もう一つの理由は、その大きさである。全長48inch(120cm)もある。椅子には置けないし、床に転がしておくにはデカ過ぎる。やっとソファを作った勢いに乗じて、ずっと欲しかった36inch(90cm)のサイズもどさくさに紛れて購入。当初、流石に使いにくいかなと思っていたが、普通に毎日枕にして居眠りしている。

ソファのおかげで、(ちょっと変わった)クッションに俄然興味が出てきた。で、最近集めているのは、マクドナルドのハンバーガークッション。これは、マクドナルドが毎年販売している福袋などに入っているノベルティで、市販はされていない。基本的に「ビッグマック」をモチーフにしていて、年によって若干仕様も異なるようである。同じアメリカ出身のせいか、イームズなんかの家具とも相性が抜群にいい。マクドナルドのオフィシャルというのが素敵だし、大きさも30cmくらいあって、なかなかの存在感である。オークションサイトやおもちゃ屋さんのサイトなんかで見つけては、コツコツ買い集めている。ハンバーガーに囲まれた生活。ハンバーガー(特にマクドナルド)をこよなく愛す僕にとって、ある意味こんなにも幸せなことは無い。

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巨大なバナナを枕に、ハンバーガーに埋もれて眠る40オーバーのぽっちゃりおじさん・・・。筆舌に尽しがたいヤバイ光景なのは、もちろん知っている。


著者プロフィール
月刊連載『月刊 唄鳥』毎月5日公開
icon_songbird徳田 正樹
インテリア・プロダクトデザイナー
SONGBIRD DESIGN STORE.」代表

京都生まれ。大学卒業後、内装会社勤務を経て、1999年「IREMONYA DESIGN LABO」の立ち上げに参加。その後、2008年まで同社のデザイナーと代表を務める。2008年退社後、Masaki Tokuda Design.設立。2009年に、京都でカフェを併設したインテリアショップ「SONGBIRD DESIGN STORE.」開業。