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“東京洒脱スタイル”

東京ってすごいなぁ、を実感するのはこんな時。
三茶で8年、クチコミで評判良しと知ってはいてもコレだけ沢山の飲食店がある東京ではなかなかそこまで行きつかない。しかもフレンチ好きな私にとってのイタリアンなら尚のこと。それでもこうして食事をする機会を得たとき、美味しい上にエスプリを感じさせ、尚且つお店のあり様が至極ナチュラルで心地いいマイペース感に浸れた時、東京外食の層の厚さ、粒ぞろい感をひしひしと感じるのだ。
センスのいい前菜。ちょこんと系でも、空気感にフィットしてセンスフル。
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イタリアンでの感動のしどころは何と言ってもパスタ。欲張ってふた皿下さいの一皿目はシンプルなブロードフィーチャリングの大好きなタイプ。
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こちらは古代小麦のショートパスタ。
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名前は失念したけれど、スベルト小麦の様な仄かな甘みにほそほそとした食感と、向こうに鎮座するしっとりした肉厚の白身魚との相性が抜群。

メインは羊。
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なんかいい感じでしょう?少量でもあえての適量を醸し出す洒脱。骨の周りについた美味しい所も残さずに。

デザートはアイスクリームにバルサミコがきいたベリーソース。
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この店はオリジナルな空気感がとても素敵。自然体なシェフの気をてらうことなく淡々とシンプルに自分スタイルを貫ぬく料理。そして媚びる風のサービスでもなく、むしろワレ関せずの距離感のなか供される料理が店の感度を具現化した等身大という心地良さ。
びっくりなんかしないでいいし、ご奉仕満載のサプライズもなくていい。一緒に過ごす人とこの時間を大切に分かち合い、楽しさを後押ししてくれる穏やかな料理が東京的。
語弊はあるかもしれないけれど、食べ込んだ人にこそ、この軽さとぬけ感が「掴まれどころ」と感じるのではないだろうか。
その日の気分と、人と、求める店の温度感がぴったりあったご機嫌な夜は徒歩数分の系列店‪però‬であと少しだけ飲酒活動に勤しんだ。
ここは近しい方と是非。

Bricca
http://bricca.jp/


著者プロフィール

月刊連載『153.1 × manger』毎月18日公開
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東京生まれ、東京育ち。
いろんなコトしてきました的東京在住人。
主に食、ほか、アート、映画、ファッション、五感に響いたものを写真と言葉で綴ります。