サウスポー

カッコイイなと思う事を真似したくなるのは誰もが持っている感情だと思います。
例えば、バンドマンに憧れギターを始めてみたり。
スノーボーダーの滑りがカッコよくてスノーボードを始めてみたり。
幼き頃の私のカッコイイは…”左利き”。

私が育った長野の田舎では、毎年6月に地区対抗の球技大会が開催されます。
球技大会本番よりも楽しみだったのが、試合後に公民館で行われる慰労会です。
お菓子もジュースも沢山貰えて、近所のお兄さんやお姉さんが優しく遊んでくれて。
近所の4つ上のお兄さん、シゲちゃんが左利きだったことに私のカッコイイスイッチが作動しました。
カップヌードルを右手に持ち、割箸を左手に持ち麺を啜る姿が兎に角カッコよくて。
その姿がキラキラしていて、シゲちゃんを好きになりかけました。
あっ、これは初恋でしょうか。
左利きの人がサウスポーと呼ばれるのも素敵。
サウスポーに憧れた私は、なんちゃってサウスポーになるべく、その日の夕飯から左手で箸を持って御飯を食べる練習をしました。
母は躾に厳しかったので、箸の持ち方が違うと練習させて貰えないと思い、持ち方には細心の注意を。
やはり最初は上手く掴めず苦戦する毎日でした。
家族の「もうやめたら?」の言葉は聞こえないふり。
必殺技の自分の取皿をなるべく大皿近づけて、サッと移し、こぼしてないよアピール。
毎日コツコツ練習していると慣れてくるもので、滑り易い蒟蒻や煮豆も上手に摘めるようになりました。
大人になった今でも左手で箸を持っていると
「あれっ?左利きだっけ?」と聞かれる事が多く、
「カッコよくて練習しました。」と答えるのが恥ずかしいので、最近はたまにサウスポーになりすましています。

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なんちゃってサウスポーより生粋のサウスポーの方がやはり何百倍もカッコイイ。
日比谷店、渡辺さんのクープを入れる姿を憧れの眼差しで見つめる秋の日です。
すみません、見つめていないで仕事します!!!
写真はあえて載せないので、御来店頂き、パンを見ているフリをしてカッコイイサウスポー姿もチラ見して頂きたいなと思っています。

日比谷スタッフ 木原