title_tamami

“予感的中率”

友達って何人いるかなぁと考えた時、あれ?って立ち止まるほど少なかったりするけれど、そんな中、それこそ言葉のとおり老若男女、希少な仲間と数年ぶりの4人会。
仕事もバラバラなのでまず日程を決めるのが一苦労でも会うとなったらこの日を第一優先に考えるメンバーだから遅刻も無い。なんなら店に向かう途中、「いまどこ?」とやりとりして広尾のスタバで待ち合わせ、仲良く店に向かうという始まる前からもういい予感しかない感じはまるでデートみたいだ。だからこそお店は絶対美味しい店ってことでこちら、広尾のボッテガ。
昔むかし通ったアロマフレスカからカーサヴィニタリアを経て独立されたシェフのイタリアン。ボッテガは初であっても、好みだってことは10年以上も前から知っているのでなんのタメライも無くアラカルト。

完熟トマトにブッラータ、柑橘のサラダ
c_tamami33-1
完熟の甘アマのトマトとクリーミーなブッラータ、オリーブオイルのグリーンな風味の組み合わせで満面の笑みな上に、惜しみなく注がれたオレンジのエッセンスがニクイほどにキラキラな美味を立ち上げる。頂く前から美味しそうオーラにテンションが上がり「どう?なんか良き知らせあり?」なんてカラカイながら取りわける作業が最高に楽しい。

c_tamami33-2
テーブルのデコとなる存在感誇らしげなパン。

白イカのロースト
c_tamami33-3
イカLOVERなので無条件にオーダーしたけれど、これ、思っていたのと違い、姿かたちそのままで登場。皆なぜかそれなりにカットされたものをイメージしていて、出てきた時に「あ、このカタチね」と4人の意見が一致したのも、わちゃわちゃ感を盛りあげる。そうこうしても丸ごとなので切り分けていくと、足の部分など均等に分けるにはハードル高い。スマートにサーヴするのって難しいね、と言いながら苦労してると「私の多いよ、そっち少なくない?」とか「もっと取っていいよ」とか、なんかもう美味しいものを前にすると人ってやたら優しくなるのが幸せの法則。くじ運は自他共に認める悪さなのに、イイ予感は外れた事がない。そしてイカの下には茄子のカポナータ。ほらね、やっぱりここは好みど真ん中。

生しらすとカラスミ
c_tamami33-4
見ての通り、無意識に口角の上がるムラムラの美味。表現したくてもタリオリーニ最強とか、パスタ最高、とか美味しいものの前では考えることをやめてしまう語彙の貧しさを嘆きながら、もうちょっと素敵な言葉でさ、、、と他の言葉に置換える努力をした結果、友人の絞り出した答えは「イタリアンってずるい(笑)」。投げやりなようでいてイタリアン愛溢れる言い得て妙な迷言。

島ブタのロースト
c_tamami33-5
パスタをもう一皿か、メインにするか迷いながらも「ここはカッコ良くメインにしてコースを完成させよう」という食欲とある種の美意識を両立させる志。そこにアンチョビとバターの美味しい補佐とレモンのコンフィというオシャレ番長、そしてトリュフのエレガンス。パスタもう一皿の欲求を抑えた事に意味を見いだせた堂々たるメインでした。

セミフレッド
c_tamami33-6
コースの美しさはドルチェの美味しさに比例すると常々思うのね。料理が出てくるたびに皆、口を揃えて「美味しい!」を何度言ったかわからないけれど、最期の最後にして、やっぱりボッテガ最高よね、と言わせるセミフレッドの力量。
幸せってこういうこと。

BOTTEGA
https://www.bottega-cucina.com/


著者プロフィール

月刊連載『153.1 × manger』毎月18日公開
icon_tamatamami

東京生まれ、東京育ち。
いろんなコトしてきました的東京在住人。
主に食、ほか、アート、映画、ファッション、五感に響いたものを写真と言葉で綴ります。