bn_garakuta

昭和の残像

昭和で思うのはデザインのぬくもり。
手仕事感のあるデザインが多くありました。
なんですかね、こう言うの見るとホッとしちゃうの。
デジタルで構成されている物も大好きなんですけど、絶妙なノスタルジーには心が吸い寄せられる。
と言うことで昭和あれこれでございます。

現代のキャンディーのパッケージって当然のようにプラスチックが多いのですが、昭和のキャンディーと言えば「缶」でございます。

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1962年発売、森永コーヒータップ。
実にかわいい。
曲線で構成された缶に、タータンチェックを大胆にバイアスであしらっています。
でもなぜコーヒーなのにタータンチェックなんでしょうか?
タータンチェックと言えば英国のイメージが強い気が。
でも英国は紅茶の文化では???
そんな多少の疑問はありつつ、ミッドセンチュリーの影響から脱却せんとするこの缶のデザインには温かみを感じます。
うちのオフクロが言うには、「女性のためのコーヒーキャンディー」だったとのこと。
ゆえにキャンディーを食べ終わったら、この缶にはヘアピンなどを入れておく女性が多かったそう。
あたたかでやわらかなデザインは、本来の用途が終わったあとも次の役割を持つように。と言うメーカーの気持ちの表れでしょうか。
豊かさを感じるパッケージです。

そんな森永コーヒータップが世に出てから8年後、大阪に「太陽の塔」が誕生します。
(同時に僕も誕生してるんですが、そこは割愛)
大阪で日本初の万国博覧会が開催され、岡本太郎さんの芸術が爆発して「太陽の塔」が爆誕しました。
それから48年。なぜ「太陽の塔」は長い間、人を惹きつけるのか。
なんで僕は惹きつけられちゃうのか!?

すいませんわかりません。

でも見てるとなんかこうワクワクしたりハラハラしたりするんです、太陽さん。
で、見ているだけでは飽き足らず、フィギュアが発売されるとなるとすぐ注文しちゃう。
(実は2010年版をゴッツにもらっていたので、すでに手元にあったのですが、今回再販と言うことで当然のようにオーダーしてしまいました)

と言うことで海洋堂の「太陽の塔(1/350スケール)」が到着しました。
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「現代最大最強のモニュメント『太陽の塔』をリアルモデル化」したと言うコピーは伊達ではありません。
リアルの追求を徹底し、表面の質感から細部に至るまでマニアも納得の仕上がり。
あの巨大なオブジェが、このスケールでリアリティを追求した再現をされると何が起きるか?
じっくり眺め、いじくりまわし、角度を変えた観察をし、色々と納得が得られる。

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納得の先には発見があり、発見は自分と「太陽の塔」の関係を次のレベルに引き上げてくれます。
想像を膨らまし、岡本太郎さんの気持ちを想像してみたりする。モノマネもしてみたりする。
ものすごく気持ちをフラットにして、初めて「太陽の塔」を目の当たりにしたふりをして『これはなんだ?』とか考えてみたりする。

やがて脳内なのか、胸のあたりなのか、太鼓の音が聞こえてくるような気になる。
よくわからないけれど負の感情は起きない。
フィギュアですらそんなことを感じます。アツい。

そしてその当時物であるところの記念切手。
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7円の秋田竿灯が5枚
15円のパビリオンが1枚
50円の夏秋草図屏風が1枚
合計100円の切手帳。
もちろん売価も100円。
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数はものすごく沢山出たらしいので、希少価値みたいのはほとんど無いようです。
でも表や裏にバーコードやうるさい注意書きが存在しないデザインの、なんとシンプルで美しいことかと思います。

自由に余白を贅沢に使えた時代が伺えます。

だからこそ、制約の多い現代で優れたパッケージデザインを生み出すデザイナーには、凄みとセンスを感じることも多いですね。温故知新です。


著者プロフィール

月刊連載『GARAKUTA HAVEN』毎月28日公開
なかがみやすお

1970年生まれ。戌年。
アパレルの販売を生業としています。
若い時は某アーティストのマネージャーやスタイリストとして動き回っていた時代もありましたが、
30代以降はアパレルに腰を据えて『ゲストサービスの正体を見極める』を胸に秘めて仕事をしています。
この5年半は明治通りのショップで統括店長兼バイヤーとして、多忙に翻弄される日々ですけれども、正直毎日とても楽しいです。
洋服が好き。グラフィックデザインが好き。カスタムすることと工夫することが大好きです。人生は工夫だと思っています。
ここでは僕が心の拠り所(HAVEN)とする、 ガラクタっぽいけど良デザインなモノをご紹介していきます。