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“福岡充実記”

なにが嬉しいかって、それは東京からはるばる飛行機に乗り大好きなレストランを訪れる事と大好きな人達と来られなかった分、たくさんの話をして気持ちを伝えること。それに加えてオススメのお店に連れて行ってもらえるだなんて、この1年仕事頑張った甲斐があったなぁと報われる瞬間はこんな時。こんなに楽しいことばかりでいいのかな、と思いながら時間を割いてくれた友人に感謝しつつ向かったオススメのお店昼の部は車でないと辿りつけない福岡と佐賀の県境にありました。

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手打ち蕎麦 ひさ屋さん。
国道沿いでも少しだけ奥まっているのと、古民家風で自然と馴染んでいるので探す時には注意してくださいね。目標は赤い暖簾。その暖簾をくぐり、靴を脱いで上がると設えも格別。

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掘りごたつ式のテーブルに、空調はというと少しずつ窓を開け風を通すだけの自然換気。不定期に自然の風がそよぎ、湿気が多くても木々を抜けて来る風はひんやりとして東京では体験できない心地よさ。そして奥のテーブルは自然光のみってステキでしょう?

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まずは天ぷらは海老と季節の野菜。薄衣はサクッと揚がり、海老の火通りも甘さが残ってとても美味しい。塩と天つゆはお好みなのだけれど、最初は塩で頂きたい派。それでも、天つゆも美味しくて、どっちも良いって嬉しくも悩ましく。見てお分かりのとおりセンスいいんだなぁ、が伝わってきて頂く前から安心してるってどれほど幸せな事だろう。

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お蕎麦は二八。友人によるとこちらの御主人は脱サラで車のモーター関係の仕事をされていたらしく石臼もご自身で作られたとか。お蕎麦はコシと若干のぬめりが特徴。独学で学ばれた野草の知識も博士並みで友人は色々と教わることも多いそう。美味しいものを頂いた後は充足感に満ち、窓から眺める日陰の緑にまったりしていると、友人と御主人はどうやら向こうの料理場で料理談議。何時間何度で焼いて、みたいな話を遠くに聞きながら、そよいでくる風にうとうとしそうになると、いきなり「これ最高!」と友人が持ってきたのがご主人が干していた野菜のざる。確かに新鮮な姿より美しくもあってフォトジェニック。こういうこと、さらっとやってる御主人、素敵だなぁ。

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この後、蕎麦かりんとうを頂いて糸島までドライブをして砂浜でジェラートを食べて、ミツル醤油に寄って、夜のお寿司屋さんに向かう途中、私の脳内に浮かんでいたのはあの消灯電球。消えてる電球っていいよね。

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次回、行ったときもどうか消えていますように、と願う私はもう一度行きたい気満々。蕎麦茶も買わなきゃだし。一筋通った素敵なお店です。お蕎麦好きなら是非訪れてみて。

ひさ屋
福岡市早良区石釜828-7   
TEL092-804-5166


著者プロフィール

月刊連載『153.1 × manger』毎月18日公開
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東京生まれ、東京育ち。
いろんなコトしてきました的東京在住人。
主に食、ほか、アート、映画、ファッション、五感に響いたものを写真と言葉で綴ります。