まかないホームシック

この日のまかないは、チキンライス。
スプーンですくって口に運ぶと、ケチャップご飯のなかに鶏肉がごろごろと入っております。

チキンライスは、母親が休日の昼食によく作っていたメニューなのです。
久しぶりに食べたので、「なつかしいなあ、これよこれ~」と、うなずきながらもぐもぐ頬張っていると、

わたし「 ! ! ! ! 」

実家にいたころの記憶の断片が、次々とアタマのなかに浮かんできたのです。

………

一階から「ご飯よ~」と呼ぶ母親。

石油ストーブであたためられた、リビングの「もわっ」とした空気。

大きな窓からさしこむ、真っ白な日差し。

向かいに座るぼさぼさ頭の弟。

じゅーじゅー、しゃっしゃっ、
台所からただよってくる、香ばしいかおり。

………

わたしにとってチキンライスは、『実家の気だるい午後の味』。
仕事中なのに、センチメンタルな気分になってしまった、お昼なのでした。

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