Final Fantasy XV が、凄い!

MARCH 30th 2016 Shrine Auditorium, Los Angeles, CA, United States

この日、世界中のゲームファンが熱い期待と疑いをもって固唾を飲んでいたーー。

プロジェクト発表から約10年、ファイナルファンタジー15が、ついに、全世界同時発売!

ではなく、

発売日を含む発表イベント “Uncovered : Final Fantasy XV” がロサンゼルスの豪奢な劇場で催されたのでした。

リリース日の発表イベント?

それも、グラミー賞やエミー賞、アカデミー賞などが過去に催された由緒ある米国の劇場で?

1本のゲームソフトが……??

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引用元:Final Fantasy XV | GamesRadar+

ファイナルファンタジーシリーズは、1987年発売の第1作にはじまるいわずと知れた日本の名作RPG。

大人になり、家庭や職をもった今でこそビデオゲームから遠のいてはいるものの、FF7・8・9をやり込んだ30歳前後の同世代の方々や、FF10・13を楽しまれた若いひと、そして、2Dのドット絵の方に親しみと懐かしさを覚えるという方もきっと少なくないはず。

けれども、お金や時間を費やしてまでゲームに熱中するのは子どものうちだけ、と考える方もいらっしゃるでしょう。

実際、据え置きのゲーム機から大勢が離れること、つまり、ゲームの卒業は、2000年代の日本ではゲーム産業の硬直化と衰退とともに起こりました。

しかし、世界市場を観た場合、同時期の欧米市場はかつての活気をとり戻して大きな成長を果たし、近年では、中国や韓国を筆頭に、アジア・太平洋地域のゲーム市場が著しく伸びています。

ある市場調査では、2015年の世界全体のゲーム産業の市場規模は920億ドルーー。

これは、映画産業の620億ドルと音楽産業の180億ドルを足しあわせた数字を越えており、今日ではゲーム産業がもっとも市場の大きな娯楽分野であることを意味します。

当然、大金が駆け巡っているのであれば、そこには多くの才能とテクノロジー、そして、ビジネスの知恵と戦略が集約されていると考えるべきでしょう。

今年はなにより、VR向けのヘッドマウントディスプレイ、 “Oculus Rift” “HTC Vive” “PlayStation VR” の製品版が続々と発売されるのです。

Final Fantasy 15 は、ディレクターの田畑端さんによれば、チャレンジャーというFF本来の姿に立ち戻った作品です。

実際、FF=RPGという従来の固定概念を打ち壊す大胆な戦闘アクションをはじめ、敵に見つからずにこっそり進むステルスゲームの要素も盛り込み、また、ストーリーに沿った1本道を突き進むのではなく、広大なマップを自由に探索してクエストをこなすオープンワールドというゲームデザインを採用しています。

そのうえ、先月の発表イベントでお披露目されたのは、‪9月30日‬の発売日はもちろん、主人公たちの絆に焦点をあてた全5話のアニメ配信、本編中に出てくるアーケードゲームをそのままスピンオフさせたスマホ向けアプリ、そして、アナザーストーリーを描いたフル3DCG映画 “Kingsglaive : Final Fantasy XV” の劇場公開などです。

つまり、”Final Fantasy XV” は、FFシリーズのゲームデザインを抜本的に刷新してプレイ体験の総合化を図っただけでなく、アニメ、映画、スマートフォンアプリと多角化し、それらのヴェールを一斉に脱ぐビッグイベントを打ったのです。

これを、凄い!といわずしてなんというのでしょう。

今回ご紹介するのは、 “Final Fantasy XV” の主題歌として往年の名曲スタンドバイミーをカヴァーした英国のインディーロックバンド Florence + The Machine 。

世界的にはとても有名なミュージシャンなのですが、日本では意外と知られていません。

ちなみに、”Final Fantasy XV” は「旅」をテーマにし、主人公の仲間のAI(人工知能)を本当に連れだって歩いているように振舞わせることを技術的な目標のひとつとしたそうです。

つまり、プレイヤーの後ろにただ付き従うのではなく、適度な速さで、適度な距離感を、時折主人公の前にも出たりしながらその都度判定して動いているのです。

ディレクターいわく、AIの動きが生の人間に近い自然さであれば、生きている仲間と気心が知れてくる感覚を彼らにも抱けるだろう、と。

人工知能が私たちの生活や社会に静かに浸透しきる日もそう遠くないかもしれませんね。

緒方勇人
http://engineerism.com