あけましておめでとうございます。

この数年、年末が近づくにつれ翌年のお仕事などの依頼が怒涛のようにやってくる。今年もすでに決定していること、決定しそうなこと、これからお話を聞くことなどなど・・・やっぱり結構ある。
仕事がすべてとは思わないけれど、恐らく誰もがそうであるように、自分自身や自分の手掛けたものが必要とされているというのは嬉しいものだし、ありがたいとも思う。だからついつい依頼されたことは可能な限り受けようとする。とはいえ時間は有限だし、物理的にも無理だと判断したことはこれまでも丁重にお断りしてきたんだけれど、今年は少し意識して減らせるものは減らそうかなぁと思ったりもする。いまのところだけど。
それに今年は、新宿の店を閉めるという過去に経験をしたことのない大イベントも控えているので、否が応にも気ぜわしい1年になることは間違いない。

考えないといけないことはたくさんあるけれど、今からあまり先のことを考え過ぎても何もしないうちから疲れるだけだからほどほどに考えて、あとはその時々で判断しよう。この大イベントも、いつか振り返ったときに “良い機会だったんだ” と思える日がくるような気がするし。いや、今のところ根拠はないんだけれど。

どんな人の人生であってもチャンスや大イベントがやってきたときというのは、きっとそれは伸るか反るかの場面で、その選択によって会社やお店、その人自身のその後の人生が大きく変わってくるというのは間違いない。もちろんそこには “選択しない” という選択肢も用意されていて、それを選んだ場合にはそれまでと変わらない状態がつづくことになるんだけれど、変わらないといっても正確には世の中がどんどん変化していくので、実際には自分だけが変わらない、現状維持というのも恐らく難しい。だからぼくは、これまでそういった場面に直面したとき、とりあえず “選択する(飛び込む)” という方を選んできた。アントニオ猪木さんも「踏み出せばその一足が道となる。 迷わずに行けよ、行けばわかるさ」と言っていたし、もしも行った先で想定外の困難があったとしても(というより必ずというほどある)行ってしまった以上どうにかするしかないわけで、人って不思議なものでそうなると本当にどうにかするものだったりする。そうしてぼくはこれまでやってきた。これまでは。

もちろん可能性がゼロだとは思ってはいなかったけれど、それにしても今回ばかりは、唐突に目前に大きな穴が現れたような気持ちだった。その道を行けばわかると思い、迷わずに行った先にあったのは、かなり大きく深い穴で、こればかりはぼくの力では回避することもどうすることもできないものだった。
そんなわけでぼくはとても大きくて深い穴に落っこちることになってしまったんだけれど、7年ほど前に “選択する(飛び込む)” 方を選んだことを後悔しているかといえば、まったく後悔していないし、そこに道があることを教えてくれた人たちに感謝さえしている。その人たちだって7年前には、進んだ先にそんな大きくて深い穴があるとは思ってもいなかっただろうし。もちろんぼくも突然現れた大きな穴に気付いたときには、しばらくの間は動揺もしたし、人並みに悩んだけれど、今となってはそれほどでもない。悩みすぎて疲れたのか、悩むことに飽きちゃったのかはわからないけれど、”本当に諸行無常の響きってあるんだなぁ・・・” 程度に思っている。
次が決まっているわけでもないのにこうして楽観的でいれるのも、現実を受け入れることができるのも(いや、受け入れる以外に選択肢がなかったんだけれど)、この7年間の経験をさせてもらえたおかげだと思っている。

この後、東京の店がどうなっていくのかは、いまのところぼくにも正直わからないというのが現実だし、これまでは伸るか反るかの場面で “選択する(飛び込む)” 方を選んできたぼくだったけれど、今回ばかりは “選択しない” という方を選ぶかもしれない。その場合、自分の性格を考えると、違った形(東京以外でとか)で何かしらの行動を起こすような気がしなくもないけれど、それも今のところはわからない。
セゾンカードのポイントみたいに永久不滅のお店や会社があるといいけれど、実際には未来永劫続くお店や会社なんて恐らくない。

“祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。”
そういえば、通達に来られたテナント課長の声にも諸行無常の響きがあったなぁ…

そんなわけで、新宿の店は残り5ヶ月間となりましたが、みなさま今年も宜しくお願い致します。

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西山 逸成

代表取締役製造補助

Le PetitmecとRéfectoireの隊長をやっています。