独立した元スタッフとの話。2.

前回のつづき
これほど便利な時代になったのになのか、なったからなのかはわからないけれど、近年増えたなぁと思うものの一つに『それだけでは足りない』というのがある。これには、いろんなものやことも当てはまる気がするけれど、ぼくらの仕事や “お店をする” ということで考えてみると、パン屋さんなら今の時代に「美味しいパンさえ作れれば・・・」、料理屋さんなら「美味しい料理さえ作れれば・・・」と思ってお店を経営をされている方や、これからしようと考えられている方は、ほとんどいらっしゃらないんじゃないかと思う。
昔は「美味しいものさえ作っていれば・・・」というそれだけで、恐らくお店が成立したシンプルな時代があった。ところが美味しいお店が当たり前のように増えてくると『それだけでは足りない』時代になり、より良いサービス(接客)が求められるようになった。そしてこれも当たり前のようになってくると、また『それだけでは足りない』時代になり、今度は他所とは違う店づくりに力を入れたり、料理屋さんがパンやコーヒーなどの勉強もされるようになったり、パン屋さんも同様に料理やコーヒーなどの勉強をされたり、人によってはそれまでとは違うスタイルのお店やカフェなどを出店されるような時代になった。もうここまで来ると、元々あった業界やジャンルはオーバーストア、お店が飽和状態だと思うんだけれど、じゃあこれで事足りるようになったのかといえば、他にも『それだけでは足りない』という側面がまだまだある。
事業をしている者としては、年々厳しくなる法定福利費や税務、労務といった法律の部分にまで順応していかなければいけないし、こういった以前からあったものでも、その中身は昔に比べ随分と複雑で厳しいものになった。そしてこれらは事業者にとって、今後益々そうなっていくことは間違いないわけで、これが “現状維持は危険” 、”他人を雇用してでの個人商店規模は危険” とぼくが考える理由でもある。

つづく

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西山 逸成

代表取締役製造補助

Le PetitmecとRéfectoireの隊長をやっています。