“小さくて強い店” を考えてみた 5.

前回のつづき
ぼくがこう考えるのは、自分たちのやっている事業が飲食業やパン屋ということを前提としているからで、決して他のいろんな業種に当てはまる話だとも思っていない。もしもぼくが今と違う仕事を選んでいたとして、例えばそれがデスクワーク中心の事業だったり、フリーランスとして生計が立てれるような業種を選んでいたのであれば、きっと先述したこととは正反対の考え方を書いている。

今のご時世に、「どんどん人を雇用するのと、しないのとでは、どちらがいいと思う?」と漠然と訊かれたなら、ぼくは迷わず、「雇用しなくて済むなら極力、雇用しない方がいいに決まってる。」と答えるに違いない。

このブログでも何度も書いてきているけれど、法務、労務、毎年上がり続ける法定福利費、材料費の高騰などといった自分の意思ではコントロールのできない外的要因だけを取り上げても、事業をする側にとっては弊害としか思えないような状態だし、そしてそれらは今後も益々厳しくなっていくに違いない。それに加え人口動態などを鑑みれば、急激に進行する深刻な労働力不足の問題もあれば、人口減少に伴う消費の減少だって負の要素でしかない。そして雇用をしたらしたで、人事マネジメントという煩わしさがもれなく付いてくることになるんだから、事業をしている人にとっては四面楚歌とも思えるような状況と言える。
そりゃあ、漠然と訊かれたなら「時代背景を考えれば、雇用しない方がいいに決まっているでしょ。」ということになる。

ところが雇用をすることにこれだけのリスクやデメリットがあるとわかっていながら、そんなぼくが「それでも1人や2人でされている小さなお店は、 ”もっと脆弱でリスクが高い” 」と考えるのには、もちろん理由がある。それは、その選択された事業が  “お店だから” 、”パン屋さん” だから。
つまり、それが “労働集約型の仕事だから” ということに尽きるとぼくは考えている。

つづく

IMG_8238

«                    »

西山 逸成

代表取締役製造補助

Le PetitmecとRéfectoireの隊長をやっています。