“小さくて強い店” を考えてみた22.

前回のつづき
ぼくが “フランス料理をサンドイッチに仕立てる” という飛び道具をウリにしようと考えたのは、パン屋さんと聞いてすぐにイメージできるような店構えや商品を作っていたのでは、出尽くした業界に後発で参入する以上、”目立たない” “埋もれる” “薄まる” “お客さんに引っかからない” と考えたからだった。もしもぼくがいわゆる普通のパン屋をつくっていたとして、それでもどうにかやってはいけたかもしれないけれど、才能があるわけでもないぼくが、既に数多くのパン屋さんがある中で抜きん出ることはできないと思ったことも根底にあった。
そんなことを考えていたのがもう20年近くも前になるんだから、今の厳しい時代にお店を始めようとされる方、特に小さなお店をつくろうと思われている方は、やはり “強いウリとなるもの、既存のお店とは差別化できるもの” といった何かしらの工夫が必要な時代なんじゃないかなぁと思える。そこで “何かしらの工夫” について、ぼくなりに思う視点があるので、そのことを書いてみようと思う(真剣に読まずに軽く読み流してください)。

料理であれ、お菓子やパンであれ、自分でお店をされる前から著名なシェフであるとか、コンクールなどの輝かしい経歴があるといった方というのは才能があるということだと思うし、それ自体が強みになると思うので、そういった方がお店をされた時には今の時代だろうが、小さなお店だろうが、後発のお店であろうが、どーんと売れちゃって強いお店になる可能性は高いんだと思う。ただ、そのような選ばれし者といった方がごくわずかだという現実を考えると、大半の方々というのは無名、あるいはそれに近い状態で、多くの既存店が激しい競争をしている中に飛び込んで行くことになる(もちろんぼくもそう)。その時にお店をはじめようとされている方の自負の根拠が “美味しいものを作れるから” だったなら、いつも書くようにぼくは危険だなぁと思うし、もしそれが “こだわっているから” だったとしても、やっぱり “正直、心配だなぁ” と思ってしまう。もちろん、どこに、何にこだわっているのかにもよるとは思うんだけれど。
長くなってきちゃったので、また次回。

つづく

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西山 逸成

代表取締役製造補助

Le PetitmecとRéfectoireの隊長をやっています。