週休3日制と求人と役職と。 4.

前回のつづき
今月から実験的に週休3日制を導入し、スタッフと顔を合わせては「どう?休みが増えて変わってきた?」と訊いてみると、決まって「楽になりました」と返ってくる。それもみんなとても明るい顔で。
本人に直接訊かなくても別のスタッフを通じ、「◯◯くんが活きいきとして、この前なんか『時間があるので前倒しで仕込みます!』って言っていました。」なんて話も耳にするようになった。
年齢的にももうひと伸びして欲しいと思っていた中堅スタッフも突然スイッチが入ったように責任感が出てきたりと既に良い効果が現れてきている。
一方で同業者やそれに近い人たちから懸念されていた弊害も現れたんだけれど、でもそれは初めから想定していたことであったし、これまでのことや他の問題に比べれば取るに足らない程度のことにすぎない。それにここまでさえくれば、いい齢をした人たちなので少し注意をすれば修正もしてくれる(ほとんどの人は)。
まだ始まったばかりなので結論を出すには早急だけれど、現状を見ている限りこの話の最初に書いていた『変わることによるデメリットをメリットが上回ればいいだけの話』というのは、今のところ功を奏しているように思える。

ぼくはいつも自分の頭の中にある構想(次にやりたいと思っている業態だったり、労働環境改善の方法など)が “そろそろいける” と踏んだ時点で主力スタッフに仮定の話をし、そのための準備を協力してもらい、実行、検証、必要なら修正(調整)とやっていくんだけれど、そういった意味で今の週休3日制は、「実行 → 検証」の段階にあたる。
これがちゃんと機能すると判断したら「週休3日制が実現したから、はい、お終い。」でなく、次の手を打つ。
次はまず労働時間の短縮。これは今のスタッフのやる気や責任感、雰囲気を見ていると早々にも可能な気がするので、ぼくは主力スタッフにその次の目標まで伝えた。

「労働時間の短縮の次は、長期休暇を目指す。」

飲食やぼくらのような業界は、夏休みや冬休みがあったとしても恐らく1週間も取れないお店がほとんどだと思うんだけれど(うちもそう)、これはほとんどの “お店” というものの利益構造や仕組み、性格上仕方ない部分もある。
シフトなどで休みをまわしているお店でもない限り、仮に1週間の休みを取ると(お店自体を閉めると)当然、その間の売り上げはゼロなのにコストだけは掛かり続けることになる(人件費、家賃、休んでいるとはいえ動いている設備はあるので少しの光熱費など)。
おまけに連休を取っていたとしても、これも仕事の性格上 “仕込み” があるため、連休の内1日あるいは2日間は出勤する必要が出てくる。
ぼくらの仕事の利益率を劇的に上げることでもできない限り(まぁ、そんなことはあり得ないと思う)この課題をクリアするには、シフト制でまわす以外にない気がする。

ぼくが次の一手に「長期休暇を目指す。」と考えた理由はシンプルで、うちの店に働きに来てくれる子というのは、なぜか昔から他府県の子がほとんどだった。今は京都出身の子が一人いるけれど、他の子はやはり他府県の子ばかり。
中には関東や九州といった遠方から来てくれている子もいて、そんな彼らに “たまにはゆっくりと地元に帰らせてあげたい” と思っても、短すぎる連休では彼ら自身そんな気にもならないんじゃないかと思った。
それに地元が遠方である、ないにかかわらず、長期休暇を取らせてあげれるようになれば旅行にだって行ける。
これが、ぼくが次に「長期休暇を目指す。」理由だった。

そんな話を経験の長い女子スタッフとしていたら、「この業界にいる限り、旅行をしたいと思ったら一度お店を辞めてでしかできないと思っていました。」と言っていたけれど、これが現実なんだと思う。
ぼくらの仕事柄、繁忙期である時期に長期の冬休みというのは難しいかもしれないけれど、仮に夏休みを1ヶ月間ずつ取れることが実現すれば(ぼくが目指しているのは、これ)、向上心や意識の高いスタッフの中には “2週間は旅行をして、残り2週間は他所のお店で研修をさせてもらう” といった子も現れるかもしれない(ぼくならそうする)。

ぼくが目指すべきものは明確にある。そして課題や問題を認識することと解決することは同じじゃない。だから「多すぎるんじゃないか」と言われようが目指すものが実現するまで、ぼくは現場のスタッフ(パン職人)も募集し続ける。

つづく

RECRUIT

ぼくが週休3日制を目指す理由
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西山 逸成

代表取締役製造補助

Le PetitmecとRéfectoireの隊長をやっています。