ぼく、オレ、私、うち、自分 2.

文字であれ、口語であれ、ぼくは一人称に ”私” を使った記憶がほとんどない。
これほど長年に渡り使わなければ、いざ使うべき場面であってもどうしても使いづらく感じてしまう。
仕事上のメールがまさにそれにあたるんだけれど、取材などの校正でぼくとメールのやり取りをされたことのある方がもしこれを読まれていたら、 ”あぁ、そういえば” と思われているかもしれない。

一人称には ”うち” といったかなり砕けたものもあるけれど、個人的にはこれを使う人というのは圧倒的に関西人のイメージが強い。
ぼくも ”うち” という言葉は使うけれど、その場合は ”うちらは、””うちのは、” といった「オレらは」にあたる複数を指すものであったり、「ぼくの店では」「ぼくの家では」といった意味の場合に限られている気がする。

自分で書いてて、ぼくが外国人なら絶対に日本語なんて無理だわ、覚えようとなんてしないって思えてくるな・・・

他にも一人称には、”自分” というのもあるけれど、これを普段から口語で使っている人というのは、ぼくが日常生活をしている中ではまずお会いすることがない。
「自分は…」なんて話す人を想像してみても、往年の大スターだった高倉健さんと渡哲也さん演じる西部警察の大門圭介くらいしか思い浮かばない。
と思っていたら、身近なところに一人だけいた。
うちの男子スタッフに「自分は・・・」と話す人がいる。彼は見ていてこちらが心配になるほど常に猫背な人で、高倉健さんや渡哲也さんとは似ても似つかないキャラなんだけれど、そんな彼が ”ぼく、オレ、私” といった一人称がある中で、どうして ”自分” と言い出したのか、とても興味深い(今度、会ったら訊いてみよ)。

そういえば彼は、相手のことも ”自分” と呼ぶ。
「自分なぁ、」って。
この二人称に ”自分” を使うのは、関西だけのような気もするんだけれど、彼のように一人称も二人称も ”自分” を使う人の言いそうなことを想像していたら、「自分なぁ、自分は、自分が自分にそう言ったから・・・」なんて会話が思い浮かんだ。まるで昔よく耳にした「ちゃうちゃうちゃうんちゃう?」みたいだ。
もうここまで来ると、関西人相手じゃないと通じないんじゃないかと思えて来る。

つづく

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ぼく、オレ、私、うち、自分 1.

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西山 逸成

代表取締役製造補助

Le PetitmecとRéfectoireの隊長をやっています。