取材のこと。5.

東京で取材を受けるようになった頃、京都の時と違うなぁと一番感じたのは、取材に来られる方の人数だった。これは、ぼくでも予算の差なんだろうと容易に想像がつく。
もちろん京都でも大きな編集社やメジャーな雑誌などの場合には、ライターさんとプロのカメラマンさんが立派な機材を持って来られることもあるんだけれど、小さな編集社やマイナーな地方紙などだった場合には、ライターさんが自前のデジカメを持ってお一人で来られるといったことも珍しくなかった。

昔、超マイナーな地方誌の取材を受けた際、お一人で来られたライターさんは、やはり自前のデジカメ、それもいわゆるコンパクトカメラを持っての登場だった。
メジャーで大きなところもマイナーで小さなところであっても、もちろんぼく側の対応は変わらないし、特にお一人で来られた時などには「何か手伝いましょうか?」と声をかけ、できることをお手伝いしていたくらいなので、この時もそうだった。

その取材から 3、4年後のこと。
「西山さん、私のこと憶えてますか?」と、そのライターさんから連絡をいただいた取材依頼は、誰もが知っているような超メジャーな食の雑誌だった。全国誌で、もちろんプロのカメラマンさんもご一緒で。
「出世されたんですねー」と冗談交じりに挨拶をしていたぼくは思った。
取材するお店の選択権が彼女にあったのか、そこまではなくても推薦など少しは影響があったのか、あるいはうちへの取材は決まっていて、たまたま彼女が担当になられただけなのかもしれないけれど、あの時、超マイナーな地方誌だからといって取材依頼をお断りしていたり、もし適当な対応をしていたなら、それでもこの取材依頼はあったのかなぁって。

最初に書いたように、ライターさんたちに接待をしたこともなければ賄賂もなく、商品を無償で提供するわけでもないうちの店が、20年間も途切れることなく取材をしてもらえてきた理由があるとすれば、ここに書いたようなことも要因なんじゃないかなぁと思う。

F9CF38FF-0CA3-4248-B6B4-A86107589C20

取材のこと。1. 2. 3. 4.

«                    »

西山 逸成

代表取締役製造補助

Le PetitmecとRéfectoireの隊長をやっています。