で、ご用件は何でしょうか? 2.

忙しい時間帯であろうが相手の事情など顧みず、一方的に不躾な営業電話をかけてくる人というのは、電気料金を下げますよ系に限ったものでもない。
これも最近ではすっかりなくなったけれど、昔は銀行といった金融機関ではないところからの「お金貸しますよ」といった営業の電話もよくあった。
忙しいタイミングでかけてこられると適当に応えてすぐに電話を切るんだけれど、これがちょっとした手隙のタイミングだったりしたときには話のネタにでもなるかと思い、「ほう、それで?」と話に乗ってみたりしたこともある。
すると、「日歩○銭でですね・・・」といったことを言われるので、「ヒブ・・・ひぶ? ”ひぶ○せん” って何ですか?いやぁ、それではわかんないですね。もうちょっとぼくにもわかる様に今風に言ってもらえますか?」と話を広げるだけ広げ、決まって最後にはこう言って電話を切った。

「つまり、これくらいの金利でお金を貸しますよ、ってお話ですか。あいにくうちはお金に全然困っていないので結構です。すみません。」

ちなみにこれは、うちがお金にとても困っていた頃の話だったりする。

かかってくる営業電話の種類も時代によって偏っている印象を受けるんだけれど、ここ最近だと圧倒的に多いのが「wifi環境を見直しませんか?」系の類。とにかくこの手の電話が多い。

最近では大抵の場合、第一声が「今、少しだけお時間よろしいでしょうか?」といった節度あるものなんだけれど、つい先日かかってきた電話は久しぶりに不躾なものだった。
言葉遣いこそ丁寧なものの、いきなり一方的におのれの話を早口ではじめ、wifi環境がどうのこうの「最近、お客様からwifiが途切れるといったご連絡を多数いただきまして・・・」などと言っている。つまり彼の言いたいことというのはおそらく「お客様からのwifiが不安定だという声が多いので、この機会に安定したものに換えませんか?」ということなんだと思う。で、ところどころで「余計なお金は発生いたしませんから」といったことを挟んでくるんだけれど、話の後半にはいくらかはかかりそうな話にも聞こえてくる。
ところがうちのwifiは途切れることもなく今のところまったく支障がない。つい2ヶ月前に設置したばかりのものなんだから当然のことだし、この短期間でそんな不具合が出るようなら「そもそもそんなもの初めから売ってんじゃねーよ」とも思えてくる。
この時の営業電話は何とも説明下手で要領を得ない人だと思ったけれど、よくよく聞いてみると別人ではあるけれど、この2日前にかけてきた内容とほぼ同じだった。
丁寧な言葉遣いとはいえ、他人の手を止めているといった自覚もなく、一方的に話し続けた彼が一通り話し終えるのを待って、ぼくはこれ以上付き合うのも不毛だと思いこう言った。

「で、ご用件は何でしょうか?」

「えっ・・・」

「いや、今の説明では何が仰りたいのか、よくわからないんですよ。」

「今のどこがわかりませんでしたか?」

口調が強くて逆ギレかと思えてくる。

「さっぱりわからないですよ。それに実は今、ぼくは忙しいんです。すみませんね。」

と言って電話を切った。

ぼくらの仕事というのは「お客様がお越しになるのを待つ」といったタイプのものなので、自ら営業に出向いたり電話をかけまくるといったことがまずない。だから営業職の方の大変さというのも想像でしかわからないし、それを否定するものでもないんだけれど、営業電話をかけてこられる際にはせめて最初に「今、お時間はよろしいでしょうか?」のひと言は欲しい。

そうすれば、「今は手が離せませんから、すみません。」と言って10秒程度で済む。

つづく

284D82BF-9961-4581-A9D7-5DE609810587

で、ご用件は何でしょうか? 1.

«                    »

西山 逸成

代表取締役製造補助

Le PetitmecとRéfectoireの隊長をやっています。